ロイヤルバレエ 10月15日 『マノン』ナタリア・オシポワ&デイヴィット・ホールバーグ
10月15日、ロンドンにある、ロイヤルオペラハウスにて初めての『マノン』を鑑賞してきました!!
ロイヤルバレエは去年に建物を新装し、リニューアルオープンしました。これは正面から見える部分なのですが、デザインが繊細で本当にきれいでした。入る前からウキウキします。
去年の9月に訪れたときは新装オープンのちょうど1週間前だったので、まだ工事中で泣く泣く帰ったことのリベンジができました(笑)
中はこんな感じ
これはまさに新装されたバー、そしてレストラン!お値段は少し張りますがとーーーってもオシャレです。
建物内にはたくさんの展示もあります。
これはマーゴ・フォンティンが着用した『火の鳥』の衣装ですね!
(もし有吉京子先生原作の「スワン」を読んだことがある方だったら、聞き覚えあるのではないでしょうか)
現在では『火の鳥』を上演するカンパニーもないので中々見る機会はありませんが、この衣装、そして頭飾りの迫力!!
マーゴ・フォンティンが着ていたものを間近で見れるというだけでも胸熱です!!
こんな風に写真の展示もあります。貴重なお宝写真です。
ヌレエフ、フォンティン、ロイヤルバレエの歴史を築いてきた伝説的ダンサー達の姿にうっとり。
こんな風に劇場を見ているだけでもあっという間に時間が過ぎてしまうのですが、(実際私は開演時間の2時間前に着いたので時間があったら͡͡͡͡コヴェントガーデンを散策しようと思ったのですが、そんな時間はありませんでした(笑))
さて、いよいよ本題に移りたいと思います!
今回私はAmphitheatreという一番上の階の席で観ました。その中でも割と後ろのほうだったのでチケットのお値段は25ポンドでした。後方ということもあり、どのくらい見えるのか心配していたのですが、前の席との傾斜がかなりあるので、前の人の頭が視界を遮ってしまうようなことは全くありませんでした。さすがの設計です。
ダンサーの顔までは見えませんが、脚のラインなどはきれいに見えますし、何よりダンサー達は身体全体で表現しているので、後ろの席でも物語には十分没頭できます。
この値段でこれだけのものが観れるならば大満足です。
もっと表情に注目したいと思ったらオペラグラスを使うのもありかと思いますが、私も含め、周りの人もオペラグラスを使っている人はあまり見かけませんでした。
バレエ『マノン』は フランスの貴族アベ・プレヴォーによる1731年の小説『マノン・レスコー(Manon Lescaut)』を原作とした、フランスの作曲家ジュール・マスネによる全3幕のバレエ作品です。ケネス・マクミランの振り付けで1974年、ロイヤルバレエにより初演されました。
今ではパリオペラ座など色々なカンパニーで上演されていますが、やはり初めて見るマノンは本場のロイヤルバレエですね!
私はマクミランの振り付け作品が本当に好きでして、特に「ロミオとジュリエット」のバルコニーのパドゥドゥと「マノン」の寝室のパドゥドゥはYoutubeで何度見たか分かりません(笑)
第1幕
舞台はパリ郊外です。私は生でロイヤルバレエの公演を観るのは初めてだったのですが、どのダンサーを観ても本当に美しい!つま先が床をつかむように柔らかく、しなやかで、またポジションがとても正確です。そしてそれを何ともないようにこなしてしまう。これがロイヤルバレエなのかと圧倒されました。
いよいよマノン役のオシポワが登場!!!
彼女のもつパーソナリティ的なところも加味されて、可憐でありながらも妖艶なマノンの役が本当にぴったりです!!私が言うのもおこがましいですが(笑)
オシポワ様の身体から発されるエネルギーの凄さといったら、普段動画で見ていても感じるくらいなのに、生はその比ではありません。舞台にいるだけでその空間を支配しているような存在感でした。
そしてデ・グリュー役のホールバーグも!出てきた瞬間私はすぐにわかりました。だって放っているオーラがすごいんだもの。うら若き学生のホールバーグ。美しすぎて、ああ、これがまさに私が思い描いていたデ・グリュー、、、! 生まれてきてくれてありがとう!!(くれぐれもこのブログは私のバレエ、そしてダンサー達への愛を語るためにあるということをご理解ください)
デ・グリューがマノンにが恋に落ち、アプローチしている瞬間のドキドキといったら!中々釣れないマノンにアタックする姿は、応援せずにいられません(笑)
そしてマノンの兄のレスコー役を演じられていた平野亮一さんも素晴らしかったです。欧米のダンサーにもひけをとらない長身の平野さんから繰り出される迫力のある踊りはブラボーの連続でした。
1幕は作品の中でも代表的なシーンである寝室のパドゥドゥで幕を閉じます。
今まではこのパドゥドゥを観るときはこのシーンだけを抜粋で観ていたのですが、実際に物語全体の中で観ると二人の幸せが最高潮にある瞬間、その彼らの気持ちがまさに振り付けで表現されているのが感じられて物語バレエの神髄を味わいました。
2幕
2幕は物語が大きく展開します。特に平野さんの演じるレスコーが酔っ払ったシーンは平野さんの踊りが素晴らしく、観客からもかなり笑いが起きていました。
酔っ払っているので、何度も転んだり、滑ったりする振り付けで滑稽なように見えますが、実際踊るとなると体力的にも技術的にもかなりハードな踊りだと思います。
マノンは1幕の最後であんなにもデ・グリューと愛を確かめ合ったのに、ほかの男どもと遊んでいます。さすがの小悪魔っぷりとそれが最高に似合うオシポワ様でした!!!(笑)
ストーリーの細かいところは省きますが、平野さん演じるマノンの兄レスコーは殺され、マノンは捕まり、アメリカの拘留所に行くことになります。ストーリー飛びすぎ!(笑)
ここでは書き表すことはできませんが2幕の最後のシーンの迫力がすごいんです!物語に没頭していた私は本気でびっくりしました(笑)
3幕
拘留所からシーンは始まります。弱り切ったマノンが痛々しいです。
マノンとデ・グリューは拘留所から何とか逃走しますが、ルイジアナの沼地でマノンは力尽きてしまいます。
ここであの有名な沼地のパドゥドゥです!!
難易度が高いリフトの連続で女性にとっても男性にとっても非常にハードなパドゥドゥだと思いますが、なによりも私が感動したのは、それをマノンという役柄の中で演じなければならないということでした。もちろん形の美しさもクラシックバレエにおいて重要ですが、このシーンは見るに耐えないくらいの瀕死の状態のマノンが最後の力を振り絞っているシーンです。美しさと同時に、そういった「演技」をしながらこの難易度の高いパドゥドゥをこなすことがどれほど大変なのか想像もつきません。その点でオシポワとホールバーグは本当の「マノン」と「デ・グリュー」でした。
私の大好きなパドゥドゥを二人の最高のパートナーシップで観れて幸せでした。
一言でいうと尊い。(笑)
終わってからも興奮が冷めず、本当に感動した舞台でした。
主役の2人だけではなく、ロイヤルバレエのダンサー、重厚なオーケストラ、繊細な衣装、格式高いセットなどすべてが最高峰の舞台でした。
こんなにも美しいものを人生で体験することができてバレエをやっていてよかったと思います。
今シーズンのロイヤルバレエは、マノンのほかに、11月からコッペリアが始まりますし、12月ごろには眠りの森の美女、そして1月にはオネーギン、春ごろには白鳥の湖と古典バレエと物語バレエどちらも取り入れた非常に豪華なラインアップです。
ケヴィン・オヘア様(ロイヤルバレエの芸術監督)ありがとうございます、、!
次の予定はマヤラ・マグリさんのコッペリアになる予定です。
また、1月のヌニェス様の眠りとオネーギンは早々にチケットを取りました。(彼女の公演はすぐに売り切れてしまいます)
次の公演が本当に待ちきれない!!